神奈川県立歴史博物館に行ってきました!
旧横浜正金銀行本店本館建物見学会』
です。
とても楽しみにしていた県博関連イベントでした。午前、午後に二回開催されて、各回の定員が25名!
本当にラッキーでした。
建物見学会は約一時間の予定でしたが、10分程度の時間オーバー。
それ程、興味深くじっくりと見学するに値する内容だったと思います。
旧横浜正金銀行は、妻木頼黄(よりまさ)により設計されました。妻木は辰野金吾(日本銀行、東京駅などを設計)、片山東熊(奈良県立博物館、迎賓館などを設計)と並び、明治期を代表する建築家です。横浜赤レンガ倉庫や日本橋が現存する建造物です。
県博ではちょうど「武家の古都・鎌倉」展を行っています。
全く知らなかった・・
でも、なんか得した気分になりました。
さて、いよいよ旧横浜正金銀行本店本館の見学会です。
会議室に集合して、事前説明と注意事項が学芸員の方から告げられます。
その後、3回の大型改修が行われています。
1925年 大正の改修工事
・ 関東大震災で横浜は東京以上の罹災率であったと聞いたことがありますが、この震災で、横浜正金本館も地下階のみが焼け残るという大きな被害を受けました。
1967年 昭和の改修工事
1995年 平成の改修工事
・ 歴史博物館としての使用用途に改修。
見学会はまず建物の外側(外壁の装飾)について行われました。
旧建物と平成の改修工事による増築部分の境です。
馬車道・弁天通・南仲通に面した建物の三面は、コリント式大オーダーの角柱が配置されています。
石造りのように見えますが、鉄骨とレンガによる構造になっています。建築家の妻木が得意とした「碇聯鉄構法」と呼ばれる鋼材による耐震補強がされているそうです。
見学会の終盤で、漆喰の下に整然と積み上げられたレンガを見せていただきました。
アーチ型の入り口の上部には横浜正金銀行の行章があります。
残念ながら、博物館の地下階は写真撮影が認められていません。
そこには、竹内金庫店製の金庫の扉(二面)を見ることができます。本金庫は見学できないのですが、震災の影響で使用できなくなった英国製の本金庫に比して、竹内製のものはそのまま使用できたそうです。
さて、いよいよ重厚なコリント式オーダーとともに、建物のシンボルであるドームに向かいます!
ドームの内部です。
現在は雨漏りもひどく使用されていません。
ドームには神話上の魚“ドルフィン”です。
ドームは当時の横浜港に入港する船舶にとってもキングやジャック、クイーンの横浜三塔とともに目印になっていたようでした。
二階の展示コーナーに戻りました。
一階営業室からの吹き抜け部分の名残です。1967年の昭和の改修で銀行から博物館になった際に新たにフロアーが作られました。
この窓は吹き抜け部分の上部の窓です。
ちょうどドームの下辺りにあった、貴賓室につながる階段です。見学の途中、弁天通に面した階段を使いましたが、こちらの階段は格調高く、親柱の設えも立派で趣き深いものが伺われます。
真葛焼きの常設ギャラリーは旧大会議室にあります。
が・・学芸員の方の説明を伺って、俄然興味がわいてきました。
横浜の明治初期の経済を真葛焼を通して見てみたらどのように見えるのだろうか??
さて、県博では来週の日曜日から連続5回講座が始まります。
「中世都市鎌倉を探る」です。
今日は時間がなく、企画展もザ~っと見たにとどまりましたが、次回はじっくりと時間をかけて勉強してきたいと考えます。
帰りにショップで企画展誌を購入しました。盛りだくさんの内容で1200円。
これはお値打ちです。
というのも、三館それぞれの展示物とその説明が記されています。
横歴で国立歴史民族博物館の平川南館長のご講演がありましたが、日本は世界の文化先進国に比して、博物館や美術館が大きく見劣りすることを嘆いておられました。文化財をしっかりとした考証をもって次代の人々に伝えていく、博物館の役割はとても大きいと思います。
昨日の“横歴もりあげ隊”のような草の根の活動が地域の博物館を「盛り上げ」地域の現在(知育)や将来(伝承)のために大きな力となっていくのではないかとも思います。
いずれは、そのような活動のお手伝いもしてみたいものです。
長くなりましたが、とても充実した一日でした!!
これから、慶應通教の勉強・・
英語Ⅰ、英語Ⅲ(第二回レポートの一部)、国文学古典研究Ⅲを今週の強化科目と位置づけ、そのさわりを・・と。
がんばります!!